朝晩、ずいぶんと涼しくなった、と言うより寒い感じがする。夜も長くなった。いわゆる『秋の読書』の到来だ!
そのような到来が無くとも、常に本を読んでいる、とおっしゃる方もおいでになろう。が、やっぱり、秋の夜は、読書がふさわしい気がする。
そこで、今日は、そのうちの一冊にウイスキー関係の本を挙げてみた。
山田健著『シングルモルト蒸留所紀行』(たる出版)である。
著者は、サントリーさんに勤務される方である。広告の仕事をされている。文を書くことには、慣れている方だ。その方が、社命でスコットランドの蒸留所の取材をされたのであるが、その結果を本にされた、というわけではなさそうである。
著者は、サントリーさんに勤務されて、サントリーさんが、よりおいしいウイスキーを造ることに邁進されている姿が、当たり前、だと思ってスコットランドでの取材をされたようである。その観点からの製造文化の違いを随所で語っている。蒸留所ごとに使用している水が異なる。水の違いがウイスキーの香味の特徴にもあることをも語っている。
さらに、比較として、「番外編」を設けて、サントリーさんの山崎・白州両蒸留所のことにもスコットランドで取材されたような観点で書かれている点が素晴らしい。245ページの本ではあるが、非常に勉強になる本である。