『足柄山の金太郎』の”Whisky” 日誌

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2009年 04月 20日

『 響12年 』 飲んじゃったよ!

  
今月下旬に(もう出ていますでしょうか)ヨーロッパで先行発売された 『 響12年 』 飲ませていただきました!!

ことは、大阪でBarを経営されていらっしゃるハヤフネさんからのお誘いで実現しました。 『 ブレンデッドウイスキーの魅力 』 と言うタイトルで、輿水先生が語られるとのことで、何とか都合をつけてでも、お話を伺いたいとの思いで、参加させてもらいました。 このセミナーには、ハヤフネさんの他私を含め11名の方がおいでになりました。 このセミナーの数日前に輿水先生から、『 響12年 』 が日本国内で発売される前にテイスティングさせてあげたい、と言う趣旨のありがたいお言葉を掛けていただきました。 ですので、ハヤフネさんのお誘いの趣旨とセミナー開催数日前の輿水先生のお言葉を併せ考え、恐らく、このセミナーは、『 響12年 』 のお話になるに違いないと確信しました。

4月18日13時開催です。 もっとも、関東の地に居ます私としては、久しぶりの山崎詣でとなりますので、2時間ばかり前に山崎蒸溜所へ到着していました。
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さて、輿水先生としては、『 響12年 』 については、セミナーでは、初めて語られるとのことでした。
「開発の想い」の丈を熱っぽく語られました。

『 響12年 』 の開発は、1~2年前からはじまっていたのだそうです。
シングルモルトの仕事は、楽しいのであるが、ブレンダーとして、ブレンデッドウイスキーの新ブランドを出してみたいとの想いが募っていた。 そのブレンデッドウイスキーでも、各社自慢のもので、層の厚いものは、12年物にあり、その競合ひしめく12年物のと言うカテゴリーにそれらに引けをとらない新しい日本のブレンデッドウイスキーを世に問いたいのと、世界中のBarにバックバーにジョニーウォーカーやシーバスリーガルなどの名だたるスコッチウイスキーと並ぶような日本の12年物のブレンデッドウイスキーを作りたい、との欲求がみなぎって来たとのことです。

そして、お客さんと接するバーテンダーの方たちよりのブレンデッドウイスキーに対する要求が多かった。一方で、それは、カクテルにも使えるブレンデッドウイスキーが欲しいとのことであったと言います。
個人的な要求として、日本のBarのバックに日本の12年物の 「リザーブ」、 「 ローヤル 」 と言うようなブレンデッドウイスキーを並べて欲しいのです、と。
また、バーテンダーさんからは、Barにあるブレンデッドウイスキーと言えば、『 響 』 (恐らく「響17年」、「響21年」か) あたりであるが、一杯の単価はのことを考えたら、なかなか勧められるようなものではない。 もっと懐に優しい単価でブレンデッドウイスキーを出して欲しい、という要求もあった、と。
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以上のようなバーテンダーさんたちからの要求や、自身の想いから 『 響12年 』 の開発が始まったとのことです。

『 響12年 』 を輿水先生が、開発されるためのイメージを語って下さいました。
企画サイドから、次のブレンデッドの12年物は、 『 響 』 で行く、と聞かされた時には、すごく気持ちとして抵抗があったようです。 ブレンダーとしての 『 響 』 のイメージがあったからだそうです。 
結局は、「 山崎 」 を中心に世界へ販売している中で、ブレンデッドウイスキーも、売って行きたい。そうなると今の 『 響 』 では、高価なので、12年物あたりで販売したい。 Barなどで、しっかりと飾ってくれるようなことがブレンダーとしての願いである、と言うことを企画に伝え、企画は、海外で販売し、いきなり日本で販売するようなことをしない、と言うことになったようです。 現段階では、日本での販売は、未定だそうです。
(『 響 』 と言うブランドイメージを大切にしたい、と言うブレンダー室の思いが伝わってきました)

お話の中から、営業企画とブレンダー室との社内での激しいやり取りを垣間見たような気がしました。(社内における「コミュニケーション」の重要性と言う点についても、お話から学ばせていただきました)
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こさらにコンセプトについて語られました。
海外で販売されることを意識されたそうです。
すなわち、今まで発売されてきたウイスキーは、日本のマーケットを意識した、つまり「水割り」で飲まれるような「物づくり」をされてきたそうで、そうゆうものを外した中身の設計をされたそうです。 結果、ストレートの状態で、他の物との差別化をしたい。 すなわち、ストレートで口に含んだ時に、「これは、日本のウイスキーだね」、と言われるようなものを作りたい。 それからだんだんとキャラクターを考える。 この 『 響12年 』 の魅力は、熟成感にある。 つまり、日本は、英国に比べたら、夏場の気温が高いので、それが樽にものすごく影響を与えていて、材の選択、熟成中の樽の管理など、スコットランドでやっていないような手のかけ方の成果=熟成を見せたいと。すなわち、それが、味や香りとして決定している。 それを重要視された、とのことです。 しかし、日本のウイスキーとして、奇をてらった、変わったものを示すつもりはない、と言うことで、中身を作られたそうです。
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以上のような形で、長い時間をかけ作りこみをされたそうです。
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以上が、『 響12年 』 のコアの部分のお話でした。
この部分のお話が終わり、『 響12年 』 のテイスティングに入りました。
『 響12年 』 は、12年物ですので、「ジョニーウォーカー・ブラックラベル」と「シーバスリーガル12年」をも一緒のテーブルの上に載せ、比較することとなりました。
「ジョニーウォーカーブラックラベル」にしても、「シーバスリーガル12年」にしても、高く評価なさっていました。

トップノートは、すごくフルーティーです。瑞瑞しい果物です。 おいしい、って感じです。 えっ!これが、本当に12年なの・・・、とも言える感じです。
味、柔らかな甘み、酸味も感じます。 まるで、フルーツですね。
ボディーは、ミディアムでしょうか。
「シーバスリーガル12年」も、フルーティーなのですが、『 響12年 』 の比ではありません。輿水先生が、おっしゃるように明らかにスコッチとは、違ったものです。 と言うことで、この 『 響12年 』 が、これからの海外で頑張る日本のブレンデッドウイスキーなのだと理解できました。

テイスティングさせてもらっている中で、この 『 響12年 』 にまつわるいろいろな話がありました。

このブレンデッドウイスキーで目指したものは、
・際立つフルーティーなトップノート
・トップクラスの熟成感=樽の中で時間をかけて徐々に作られてくる香り(※私が、「熟成感」と言う言葉の意味として、先生が語られた意味の中で、これだ!と思ったことを=とさせてもらいました)
・柔らかく滑らかな喉越し
・豊かな味わいと余韻 、 であったそうです。

『 響12年 』 には、輿水先生の長年培った英知の極みを技として、渾身を込めて作り上げられたそうです。
それが、12年物とは、思えない「熟成感」に表れています。

『 響12年 』 の隠し味の一つに昨年限定発売されたシングルモルトウイスキー「梅酒樽後熟」も、入っているとのことです。 『 響12年 』 の構成原酒に、この「梅酒樽後熟」をいれることは、既に決めておられたとのことでした。 『 響12年 』 をテイスティングし、たぶん、この酸味かもしれないなぁ、と思いました。 この香りについては、この時には、残念ながら私には、判りませんでした。

熟成感を出すために、30年を越しているウイスキーを加えているとのこと。 その30年オーバーのものも、僅かではあるが、テイスティングさせてもらいました。 これが、元気の良い感じなので、おっ、これが、30年オーバーなのか?、と思ったほどでした。

輿水先生曰く、「この30年以上の原酒は、優等生と言うわけではなく、むしろもてあますものである。過熟なものの中には、渋みが付いたりし、単体では使いにくいようなものでも、ブレンドに使用すると、良いものができるのです。」と。 それが、少量使用することにより、大きく変わる、のだそうです。

3つ目の特徴として、口当たりの柔らかさ、喉越しの柔らかさとして、竹炭ろ過をしている、とのこと。
ろ過層は、浅い、と。 バッティングした段階で、つまりアルコール度数の高い段階で竹炭でろ過するとのこと。クリーン感を出したいわけではない、と。 
私としには、竹炭を通す行為は、本日のお話を聞かせていただくまでは、クリーン感を出すためであると、思っていました。 が、竹炭ろ過は、口当たりの良さ、スムース感を出すためでることを知りました。 

4つ目は、味わいのベースであるグレンウイスキーにも、こだわりを持った。 ふわっとした感じのグレーンウイスキー。 
ブレンドとして、すごく広がりが出ると言うことは、異質なものが加わることによる。そういう意味で、すごく意味があることである、と。
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この写真は、 『 響12年 』 を構成しているグレーンウイスキーです。 先に述べた30年オーバーのウイスキーと併せて、 『 響12年 』 の構成原酒ですが、このように製品を構成している原酒をテイスティングさせていただく機会は、めったにありませんので、非常に貴重な体験をさせていただき深く感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。
 
ともかく、サントリーさんは、以上のようにヨーロッパの人たちが、どのような価格帯のウイスキーを好むのか、どのような飲み方をしているのかを徹底的に調査し、それを元に日本のウイスキーとしての主張をコンセプトを盛り込んだジャパニーズブレンデッドウイスキーを本格的に世界へ打って出るものとして、 『 響 』 ブランドで、しかも12年物として、 『 響12年 』 を欧州の世に問うことを、そして、ブレンダーさんが、どのような想いで新製品の開発に取り組まれていらっしゃるのか、その断片を理解できた非常に貴重なセミナーでありました。

欧州では、5月14日にこのセミナーが催されるそうです。

この時までには、未だ土屋守氏も、これをテイスティングされていない、とのことでした。
サントリーさんの社内でも、ごく一部の方、社外ならなおさら知られていない 『 響12年 』 をテイスティングさせていただいたのは、幸運と言うしかありません。 これは、「この指止まれ」、と呼びかけられたハヤフネさんも、ここへおいでになるまでお判りにならなかったようです。 

ともあれ、貴重なお時間を割いて下さった輿水先生、場所をご提供していただいた山崎蒸溜所さん、企画されたハヤフネさんに感謝申し上げたいと思います。
どうもありがとうございます。

サントリーさんのウイスキー作りに対する情熱とウイスキーのレベルの高さを、またもや見せていただきました。 ある意味、世界的なコンペで数々の受賞をされる裏舞台を見せていただくことができた、そんな感想です。

さあ、出たら逆輸入しますか・・・・  
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by kintokijp | 2009-04-20 18:54 | ウイスキー | Trackback | Comments(0)
2009年 04月 16日

" Grant's "


時折、散歩がてらに寄る食料品店の棚に瓶の底が三角形のボトルのウイスキーがいつも鎮座しているのが、どうも気になってしかたがない。
そう、その銘酒は、 ” Grant’s ” 、いわずも知れた英国でも、いつもトップテン以内の売り上げを誇るブレンデッドの名品の一つなのです。
今回は、その 「 グランツ・ファミリーリザーブ 」 です。
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これを製造している会社、ウイリアム・グラント&サンズ( WILLAM GRANT & SONS LIMITED )社で創業は、1887年。 すごいですね。 英国のウイスキー業界の会社の再編は、昔からしょっちゅうされていますが、創業より今日に至るまで、ずっと再編の荒波にもまれないで来ている数少ない企業の一つです。
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このブレンデッドウイスキーの誕生は、19世紀末、このグラント社が、自社で造っていたモルトウイスキーを卸していた、ブレンデッド業者のパティソンズ社が倒産したことにより、自社のモルトウイスキーをなんとか安定的に売りたい、と考えた結果、自社でブレンデッドして販売しようと新事業を興した結果、生まれた製品が、「 グランツ・スタンダード・ファースト 」 と言うもので世に出たと言うことです。 これが、現在の 「 グランツ・ファミリー・リザーブ 」 であります。

では、今のボトルの形状は、この時からか、と問えば、そうではないようです。

他社のブレンデッドウイスキーとの差別化を図るために1950年代後半に考案されたようです。
どのようなモルトがブレンドされているかと言えば、自社のものである グレンフィッディク、バルヴェニー、など25種類ものモルトやグレーンがブレンドされているようです。
したがって、
私としてのトップノートは、予断と偏見で、バルヴェニーの香りを感じました。 あとは、すごく複雑で難しい、と言うのが正直な感想です。
味は、軽やかな感じで、蜂蜜のような味もします、麦芽の甘みも感じます。とにかく、飲みやすいと言う感じです。

ジム・マリーさんは、このウイスキーに総合評価94点と言う高い評価をされています。(香り25点、味23点、フィニッシュ22点、バランス24点)2008年版の 「 ウイスキー・バイブル 」 (Jim Murray’s WHISKY BIBLE 2008 ): p.260 この本右の方のライフログに掲載させていただいております。(所持している本は、掲載させていただいております)
2009年版には、掲載されていませんでした。
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個人的には、「おお」と言う感じには、至りませんでした。 ソーダ割りでいただいちゃいましょう。
参考: 土屋守 「ブレンデッドスコッチ大全」1999年
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by kintokijp | 2009-04-16 12:52 | ウイスキー | Trackback | Comments(2)
2009年 04月 08日

通称 『 だるま 』

すごく・・・・久しぶりに何かしら飲んでみたくなったウイスキーがありました。

サントリーさんのウイスキーのドル箱的存在であった・・・・・、そう 通称 『 だるま 』 = 『 オールド 』 です。 30年以上も前に飲んだきりで、ずいぶんとご無沙汰していました・・・・・。 当時は、未だ未だ、『 オールド 』 は、高値の花で、私なんぞは、サラリーマンなり立てではなかったですが、未だ未だチャラリーマンで、なかなかいただくことができませんでした。 「 いつかは、『 オールド 』 をボトルでキープしたいなぁ 」、と言うようなことを仲間で話していたものです。 サントリー 『 オールド 』 とは、そんなウイスキーでした。 今では、レベルから言えば、もっとすごいものが、わんさか出ています。 ですから、 『 オールド 』 と言う声は、それほど耳にしなくなったような気がします。 が、最近、どう言うわけかすごく 『 オールド 』 が、気になっていました。 で、酒屋さんへ寄りました。
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昔と違って、ウイスキーの衣装全体が、エコなものとなっていたのには、驚きと同時に何か嬉しい感じを抱きました。 ボトルも、ラベルも、環境負荷をできるだけ少なくしています。 再生ビン、非木材紙と。 私は、中身のウイスキーも大事ですが、その衣装が、イメージを損なうことなく、エコロジーの衣装であることが、何よりも気に入りました。 
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さて、肝心の中身ですが、 「懐かしい香り」、と言いたいところですが、なにせ飲んだのは、はるか昔のことで忘れている可能性は、大ですので、 そんな言葉は、出ようがありません。 ですが、香味については、一層華やかな感じを受けたのですが・・・・・。 味・・・ 、甘みがそのころと比較すれば、強くなっているように感じました。 スモーキーさは、かなり下回っている感じも受けました。 が、さてさて、実際のところは、どうなのでしょうかね。 確か、今の 『 オールド 』 は、藤井先生が作られたと耳にしています。
そのうち、現在の 『 オールド 』 の求めているイメージをお聞きしてみようかと思っています。

とにかく、水で割っても、『 オールド 』 の持ち味と言うべきものは、崩れません。 これは、すごいことだと思います。 食べるものを考えた場合、ある香味が突出しているわけではないので、煮物、ご飯ものとの相性は、すごく良いと思います。 私は、缶詰の「さんまのかば焼き」を肴にして、水割りでいただきました。

今では、みなさんの目が、シングルモルトや高価なブレンデッドに行きがちですが、この 『 オールド 』 のように昔からあるブランド品の良さをじゅっくりと味わっていただきたいとも思いました。 早い話、なぜ永く世で生きているのか、と言うことを今の大変な時代にこの 『 オールド 』 を飲みながら考える、と言うのは、楽しみながら、「なぜここまで生きている製品なのか」、すなはち、「生き抜くことができるものとは、何か」、と言うことを考えさせてくれる(マネジメントか)素晴らしいウイスキーだと思います。

シングルモルトも、良いけれど、こう言った昔からあり、しかも進化した, 思いやりの  『 オールド 』 で、今宵の花見酒ならぬ、花見ウイスキーなどは、如何でしょうか・・・・・・
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by kintokijp | 2009-04-08 18:21 | ウイスキー | Trackback | Comments(2)
2009年 04月 04日

” THE MALT WHISKY FILE ” 和訳改訂第2新版

 ” THE MALT WHISKY FILE ”( ザ・モルト・ウイスキー・ファイル ) の和訳改訂第2新版が、数ヶ月前に出ました。 
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みなさん、ご存じのボトラーズのジョン・ラモンド・ロビン・トゥチェックさんが書かれた本の翻訳版です。和訳の初版は、今から12年前に出ました。(私は、初版も持っています) 原著は、初版が20年前に出ています。
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マイケルジャクソンさんの本(「モルトウスキー・コンパニオン」)と、なんとなく似ている感じですよね。 しか、この本は、おいしいか、ちょっと口にあわないか、などと言うような点数は付けていません。 甘さ、ピート感、でご自身の基準で点数が付いています。価格では、アスタリスクでの表示となっています。 ボトラーズとしての著者の感覚として、この本を読めば、やはり、素晴らしい鼻と舌を持っているのだなあ、と感心してしまうのですが、如何でしょうか。

残念ながら、この本は、本屋さんには、出ておりません。
では、どこで求めたの?

私は、2月の「ウイスキーマガジンライブ」で、求めました。
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ロビン・トウチェックさんにご挨拶をして、直接サインをいただきました。

しかし、お読みになりたい方は、こちらをご参考に・・・・

さらに、です。この本の補足と言う部分を見つけました。 こちらです。

今宵も、この本を手にしながら、モルトを飲みましょうか・・・・
 
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by kintokijp | 2009-04-04 13:48 | 本 及び 印刷物 | Trackback | Comments(0)