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『足柄山の金太郎』の”Whisky” 日誌

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2007年 03月 21日

『ミズナラ カスク』 だよ

 先日注文した サントリー製 の  『ミズナラ カスク』  が到着した。
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『ミズナラ カスク』 がどうしても欲しかったのであるが、サントリーさんのWebショップでは、1979年のヴィンテージカスクが、105,000円 では、私には、求めきれない。 SMWSでもかつて販売したことがあったのだが、違うものを求めてしまった(爆笑)。 はっきり言って、私の知っている 『ミズナラ カスク』 は、ちょっと樹脂っぽくて、フルーティーで美味いのだ。 そのような想いのある 『ミズナラ カスク』 である。

この求めた 『ミズナラ カスク』 は、サントリーさんの 「 オーナーズカスク 」 のものである。 そのオナーさんとは、 ” Maison do Whisky ” (フランスの卸売り業者のメゾンドウイスキーさん)さん である。 この会社の創業50周年を記念したものであるらしい。 したがって、このウイスキーは、逆輸入ものである。
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まあ、いずれはいただくだろうが、これは、当分おいて置く。

以前購入した、サントリーさんのカスクの出始めたものが、未だあるので、比較のために登場してもらい、並んで撮影。 見事な 『柿色』 であるが、色が若干異なる。 熟成年数や樽位置の違いで異なるのだろうか?
『ミズナラ カスク』 だよ_d0041872_9413624.jpg


 『ミズナラ カスク』 は、既にご存知のように、太平洋戦争で、ヨーロッパやアメリカから樽や樽材の輸入ができなくなり、国内でウイスキーの貯蔵に使用できる材を捜し求めたところ、有力な木として、 『ミズナラ』 が採用されたそうである。 国内でも、九州から北海道まであるようだが、ウイスキーの樽に適したものは、岩手県より北の地域に生育したものだそうだ。 ウイスキー会社は、そう言った地域の 『ミズナラ』 を伐採し、樽に使用したのである。 

この材を樽に使用したわけであるが、樽に入れたウイスキーが漏れやすい、と言う欠点を持っている。貯蔵担当さん泣かせの樽だそうである。 これは、チルロース(早い話が、ウイスキーなどの液体の漏れ止め物質)がホワイトオークに比べて少ないことが原因と言われている。 つまり、 『ミズナラ』 の木の繊維に特徴があるということだそうである。

もう一つの欠点は、ウイスキーがこの樽材を使用した場合、熟成年数が非常に掛かる、と言う、言わば、会社の経営から見た場合、他の材の樽に比べ10年やそこらで出せないと言う問題を持っている材だと言うことである。 つまり、若いと 「泥臭さ」 があると言われている。 ところが、20年を過ぎるころからは、このウイスキーが大変身する、と言うのだ。 つまり、大器晩成型の材質をもった樽であると言えよう。

サントリーさんでは、この 『ミズナラ カスク』 が、約3000樽あると言う。 これは、こう言った欠点を持っているが、その欠点をしてもそれ以上の価値がある、と言うことで、将来に渡って安定した提供ができるようにとの方針のようである。 
そのために、サントリーさんでは、
・水源の確保
・森林の育成
・周辺環境の保護
 に積極的に努めていらっしゃるそうである。

ちなみに、サントリーさんでは、この 『ミズナラ カスク』 は、シェりーカスクと同じような 「バット」 と言われる480リットルの樽形状である。 色別するために 「鏡板」 に 『J』 の文字がプリントされている。 山崎蒸溜所の貯蔵庫に行かれたら、是非ご覧いただきたいと願っている。

最後に、 『 ミズナラ カスク 』 のウイスキーは、日本独自のものであり、海外からすごく注目されているものなのだ。 こう言っちゃうと、なかなか私の手に入らなくなってくるかも?(爆笑) サントリーさんでも、1979年蒸溜の 『ミズナラ カスク』 は、10樽もあるか、どうからしい(貴重)。(その1本を持っている私は、大変貴重なものを持っているのだ、と認識=でも、もうじきいただきます)

by kintokijp | 2007-03-21 09:51 | ウイスキー


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