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『足柄山の金太郎』の”Whisky” 日誌

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2013年 10月 18日

サントリーさんの小冊子 『山崎』 から

サントリーさんの通常品の『山崎』について、アップさせていただいてきました。

では、今回は、『山崎25年』か、と言えば、残念ながら小生持ち合わせがございません。 なんせ、一本105,000円ですから、おいそれとは、行きませんので悪しからず。 でも、何度か、いただいたことはあります。 凄いですよ!! 濃厚で極上のシェリー酒と言うのが小生の印象です。


さて、手許にサントリーさんが、酒販店さん向けに出された小冊子『山崎』があります。

これは、小生が、大変お世話になっている酒販店さんの社長さまより頂戴したもので、何度も読んでいるうちに、何とかして、自分流にこなして、ここへアップしたいものと考えておりました。 頂戴してより3年近く経ってしまいましたが、ようやくアップできました。

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これは、表表紙で、紫色に見えますが、実際は、真っ黒で、文字部分が金色です。(スキャンの具合でこのような色となってしまいました)

これは、シングルモルトウイスキー『山崎』の美味さの秘密、と言うような視点で、当時のスピリッツ事業部ウイスキー部が出されたようです。 冊子の終わりの発行元に、そのように書かれています。
発行日は、2010年8月20日となっています。 冊子は、30頁です。

開いて、右頁に 『山崎』にまつわる写真、その左頁には、その写真を意味する、その頁だけに収めた文章が記されています。

この小冊子には、目次がありませんが、上に述べたようにその頁だけに収めた文章があり、その頁の始めに見出しがあります。

これから、その見出し順に小生がまとめたものと、それに対しての右頁の写真をご紹介します。

最初の頁をめくると、右頁には、写真がありません。
が、目に飛び込んできたのは、
”Do you know " YAMAZAKI ” ? だけの簡単な文章なのではあるが、非常にインパクトを感じました。

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この地図は、どうやら大正末期から昭和初期に発行された地図のようです。

この地図に相当する左頁には、

山崎の名前の由来を、ご存じですか?

山崎の原酒の秘密を、覗いてみませんか?

山崎のグラスの中を、旅してみませんか?

と言う、シングルモルトウイスキー『山崎』へ誘う問いかけです。

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ご存じ、『山崎12年』のラベルです。

・「山崎」、その名の秘密。

サントリーシングルモルト『山崎』の名前の由来と、ラベルの文字の由来について書かれています。
ことに、「崎」の文字は、当時のマスターブレンダーであった 佐治敬三 さんの筆によるもので、サントリーの前身の「寿屋」の屋号と、「寿」というジャパニーズシングルモルトの門出を祝う気持ちが込められているそうです。

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開設時に存在したキルン棟です。

・怪物ウスケが喰ったもの。

今日のサントリーさんの多様なウイスキーを生んでいる出発点となった1923年創業直後の大山崎村の事情がよく判らない村人たちの蒸留所に対して、「 あの建物には、大麦を喰らうウスケという怪物がおるらしい 」と物語ったエピソードの紹介。

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山崎蒸留所創業の頃の創業者 鳥居信治郎翁

・日本人による、日本人のための。
創業者、鳥居信治郎の想いは、もっと多くの日本人にウイスキーを知って欲しい、味わってほしいとの願いが込められていました。

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山崎付近の緑豊かな竹林

・なぜ、京都郊外・山崎なのか。
いよいよ核心に入ります。鳥居信治郎が山崎を選んだ理由のひとつが、ウイスキーづくりに適した地で、日本的風土にこだわりたい、と言うことでありました。

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山崎付近の山肌を流れる鮮烈なる名水

・利休も惚れた名水
ウイスキーづくりに適した地に湧き出る主原料とも言える「水」が、水生野(みなせの)と呼ばれた名水の里で、名水百選の一つである、この名水を蒸留所の仕込み水として使用しています。

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山崎蒸留所のポットスチル群

・山崎ならではの、原酒つくりわけ。
山崎蒸留所の発酵槽は、木桶とステンレスの二種類。蒸溜釜は、初溜と再溜各々6種類、さらに樽の大きさや形状、その上に以上の家庭で作られたニューポットを詰めた樽を置く貯蔵庫の中の位置でも違いがある。このように世界でも類を見ない、原酒のつくりわけを山崎蒸留所はしています。

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ウエアハウスにダンネージ方式で積まれている樽

・樽も山崎の原料?
上で述べたように多様につくられたニューポットを貯蔵する樽も、材の種類、容量により、多様な味わいを出し、その多様な味わいのモルトを重ね合すことで、山崎はうまれます。そのような意味からしても、樽も原料であります。
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この写真は、恐らく北海道のミズナラが生えている林であろうか

・国破れて、ミズナラ樽あり。
太平洋戦争と言う、樽の輸入が困難となったピンチの救世主が、国産のミズナラであり、それを使用せざるを得なかった。問題の多いミズナラではあったが、樽としてのお役目数十年経たところで、他の材には無い香味を持つことにより、世界でも高い評価を得るところとなり、これが山崎にとって欠くべからざるものとなりました。

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製樽工場の風景

・樽づくり、親子三代記。
親子三代に渡って、サントリー専属の樽づくりの技が継承されて、ウイスキーメーカーとしては、製樽までやっていると言うことは、世界でも稀であり、これも、山崎のこだわりであります。

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ブレンダー室の輿水氏と福与氏の両チーフブレンダーのノージング風景

・ヴァッテングという魔法
山崎の味わいは、山崎蒸留所からつくりだされる多様なモルトをブレンダーたちの「過去や未来のブレンダーとの共同作業」と言うチームワークによって生み出されています。


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確認はできなかったのですが、恐らく、2003年ISCで初めて受賞された際の鳥居副社長の写真ではないか

・「noble!」 and 「different!」
2003年 ISC で山崎12年が日本のウイスキー史上初めて、「noble!」と言う賛辞と共に金賞を受賞し、山崎の魅力に惹かれた海外の愛好家たちには、「different!」とその味わいの表現をし、山崎の個性が世界で認められるようになりました。


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現在の山崎蒸溜所の姿

・ウイスキーづくりの頂点へ。
山崎は、日本のみならず、世界へもウイスキーのマーケットを広げ、その評価を世界的ないろいろなコンペのでの受賞と言う形で成し遂げたのであるが、そこに留まることなく蒸溜所の大規模改修によって将来を見据えた革新と、創業より脈々と続く伝統との融合により新たな山崎を目指すことが、ウイスキーづくりの頂点を目指すことであるとしています。

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最後は、この山崎12年とそのロックとの写真で、締めくくっています。


発行日 2010年8月20日
発 行 サントリー種類株式会社 スピリッツ事業部ウイスキー部


これは、今から3年前に発行された小冊子でありますが、ここに書かれていることは、現在でも変わっていないと考えます。

この冊子を頂戴してより早3年近くが経過しました。 当初は、このような冊子が世にでました、と言うくらいのことしか考えていなかったのですが、読み返すほどに、単なる冊子のでは無いような気がして来まして、つまり、ジャパニーズウイスキーの真髄のことが書かれているということに気がつきました。 そのことを判り易くしかも、コンデンスして書かれている。 これは、放って置けない気がしました。 たくさんの方に知っていただきたい想いが、沸々と湧いてきました。 このような形ではありますが、サントリーさんの『山崎』を巡る物語を掲載させていただきました。 ここ数回、『山崎』のことをアップさせていただきました。 一応、小生の『山崎物語』とさせていただきます。

これを小生に下さった酒販店さんの社長さまにこの場をお借りしまして、感謝させていただきます。

どうもありがとうございました。

さて、10月も半分以上過ぎ、ようやく秋らしくなりました。
サントリーさんの『山崎』がお似合いの陽気となりました。

今宵も、『山崎』で乾杯!

by kintokijp | 2013-10-18 19:08 | ウイスキー


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